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『企画力』 by 田坂広志

最初に、田坂さんを知ったのは、日本総研時代の智融業というコンセプトを提唱して、金融機関を変革させようとする活動をされていた時でした。ちょうど、そのとき、ITベンダー側の企画部門に所属していました。そのときの印象は、発想のユニークさと説得力ある企画をされる人なのだなというものです。

久しぶりに、田坂さんのこの『企画力』を読んでみると、当時の発想のユニークさと説得力が、高い志から生まれ出たことがわかります。

本書の最初に、登場する場面は、バテル記念研究所です。普通の研究所ではなく、実際の製品に直結した成果をあげている研究所です。いわゆるテクノロジー・インベキュータと呼ばれる組織です。

「採用されなかった企画書は、単なる紙くずだ」という言葉を、上司のアメリカ人から、当然のようにと言われ、企画に対する考え方が変わった瞬間を思い返しています。そこから、企画というのは単に考えて終わりでなく、実現するまで、執拗にこだわり続きけるという姿勢を学んだのでしょう。

本書における「企画力」の定義は、まず、「人間と組織を動かす力」と定義されています。それは、バテル記念研究所での体験が色濃く出ており、具体的には、裏の企画書と呼んでいる社内戦略を練ることです。

社内での部門間の協調をはかる戦略です。Win-Winの関係を築いて、各部門のメリットを説き、そして、部門間の役割分担を考え、提案するのです。社内とはいえ、他部門のことは、詳細にはわかりません。ただ、その相手に配慮する姿勢が相手に伝わるのです。

もう一つの定義が、「物語のアート」です。

・これからの企業や市場や社会の何が変わるか。
・そのとき我々に、いかなる好機が現れるのか。
・では、その好機を前に、我々は何をなすべきか。
・その結果、我々は、いかなる成果を得るのか。

それらについて、最高の推理小説のように、次々とページを開きたくなるように作成するのです。

面白く感じたところが、企画書の隠れた重要な役割というものです。それは、問題を提起するということです。

「Can You Help You?」という態度では、ダメで、
「Why don't You Do This?」という態度で企みを提案するのです。

別な言葉で言うと、「何を行うか」よりも、「なぜ行うか」という根本的なことから考えていく態度が、「なるほど」という深い共感を呼ぶのでしょう。田坂氏の著書には、いつも、熱いものを感じてしまいます。


■■ 今日のエッセンス
■■
■■ 企画書を作るだけで、実行は別のものだと思っていませんか?
■■ 「なぜ行うのか」を深く考えて、「問題」を語っていますか?


企画力
~共感の物語」を伝える技術と心得 プロフェッショナル講座
著者:田坂広志、出版社:ダイヤモンド社、ISBN:4478732809

後悔度:★★★ (三つ星満点)
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する

企画力 「共感の物語」を伝える技術と心得
田坂 広志

おすすめ平均
プロの心意気!
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単なる企画に終わらない深い内容!!

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blogにはまる

最近、ビジネス書以外に、blog関連の本を読んでいます。こういう技術書は分厚いのもあり、いやになります。しかし、ある程度、見通しがつけば、必要な箇所のみ拾い読みできます。そのある程度の見通しがつけられればいいと思っていたのですが、結構、面白くなってきました。

よさそうな本を紹介すると、こんな感じです。

◆ウェブログ入門

Movable Typeの入門書です。とても、読みやすく、お勧めです。

Movable Typeで今すぐできるウェブログ入門
平田 大治

◆BOLG HACKS

楽しい技がいっぱい載っています。クリエータの心をくすぐる?

Blog Hacks ―プロが教えるテクニック&ツール100選
宮川 達彦 , 伊藤 直也

◆GOOGLE HACKS

1日15,000アクセスがあるサイト作り方が載っています。読むと納得。

Google Hacks―プロが使うテクニック&ツール100選
タラ・カリシェイン, ラエル・ドーンフェスト, 山名 早人, 田中 裕子


もう、一つ、とっておきのがありますが、これは、秘密にしようかな。と思いましたが、blogの方には公開しますね。

◆ポータル、プロバイダ別blogデザインカスタマイズ事典

blogと一口に言っても、実は、それぞれ、提供されているシステムは違うことが多いのです。既存で用意されているデザインを使う分にはいいのですが、SEOを意識したhtmlを吐き出すようにする時、デザインを独自にしたい時に困ります。この本は、ポータル、プロバイダ別に図解で詳細に解説しています。1,000ページを超える本です。値段は、2,980円(税別)と格安です。対応blogは、Movable Type、はてなダイアリー、ココログ、livedoorBlog、エキサイトブログ、JUGEM、Doblog、2ちゃんブログです。

ポータル、プロバイダ別blogデザインカスタマイズ事典
外間 かおり


おかげで、最近、blogの家庭教師のようなことをやっています。ただ、これで稼ごうとは思っていません。ITエンジニア以外の人は、「何を知りたいのか」のか「どこで、つまずいているのか」を知りたいのです。


◆会社のホームページを格安で更新

ちなみに、会社のホームページも、blogで作成できます。

会社のホームページ。

作成したはいいけど、社内で情報を更新するスタッフがいないとか、外部の会社に頼むと、遅いしコストがかかると、もてあましていることが多いようです。

blogで作成すると、簡単に、コンテンツを追加することができ、タイムリーに情報発信できます。しかも、ワープロを扱う程度の気楽さで。

もし、法人の方で興味がある方は、連絡ください。


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