« 『普通の人が本を書いて怖いくらい儲かる秘術』 by わらし仙人 | トップページ | 『TQ』 by ハイラム・W.スミス »

『超・営業法』 by 金森重樹

【マーケティングのプロが、行政書士をやるとこうなる!】

メルマガ発行者の著書に、成功者として、何度か出ているのが金森重樹氏です。金森重樹氏が数ページ書くというものです。その内容を読むと、切れ味のあるもので、著者の頭のよさを感じていました。

本書は、明らかに、行政書士向け通信講座のマーケティングの一部を担うものとして、企画されたと思われます。しかし、読んでみるとそれ以上の内容であることを感じました。

マーケッターらしく、ビジネスの基本として、「市場のゆがみ」に、ビジネス・チャンスがあるとしています。偏見・先入観にとらわれずに、市場の中に入っていって、そのゆがみを発見します。

行政書士のマーケットでは、全く、マーケティング活動が行われてないこと、行政書士の学歴・資格コンプレックスからくるゆがみを発見して、ビジネス・チャンスをものにしていきます。学歴・資格がよいのと、ビジネスで成功することは、全然、関係ないのです。

著者は、行政書士になって、初年度で、年収2000万円以上を達成します。年収が、300万円以下2/3を占める行政書士の業界では、異例のことです。マーケティングが可能にしたのです。

マーケティング活動の具体例として、弟と共同して行った「多重債務者向けの特定調停」ビジネスを取り上げています。本を使用したバイブル商法を展開するのに、ネットでのマーケティングを行いました。

まず、3000部程度のメルマガを買収(!)を行います。そして、SEO(*1)、ヤフー登録、PPC(*2)と次々と手を打ちます。本を広告塔として使うために、本を出版します。その本のための書店用ポスター、POP(*3)、ダイレクトメール、SP名刺を用意して、大手の書店まわりをします。

*1:検索エンジンによる検索結果で、自社Webサイトをできるだけ上位に表示させるために、様々なアプローチでWebサイトを最適化する手法 ◆関連本
*2:検索エンジンの検索結果画面で、広告の表示には料金がかからず、クリックされた際に料金が発生するという広告
*3:店頭や店内で購買活動をしようとする際に、訴求するための広告

そして、おもしろいことのが、商品で得られる利益を広告、本の販促費として投入し、ビジネス拡大を目的に、正のフィールドバックをかけるのです。氏の表現では、「広告費を情け容赦なく投入する」で、その様子を表しています。ビジネスの醍醐味ってとこでしょうか。

印象に残ったのが、著者が強調していることの一つに、「お金を捨てる勇気を持て!」というものです。これは、広告等のマーケティング施策を行い、成功・失敗にかかわらず、実際に試してみようと言うものです。損をするリスクはありますが、リスクを取らないと、じり貧状態になります。リスクの有るところに、利益があるのです。

本書を読むと、例えば、「アフィリエイトはリスクがなくていい」なんて発言がアマチュアの言葉に聞こえます。利益の見込めるものは、例えば、借金をして、お金を投入するというリスクをとる態度が、ビジネスを大きくする上で重要なのです。

超・営業法~「行政書士」開業初月から100万円稼いだ
著者:金森重樹、出版社:PHP研究所、ISBN:4569634656

後悔度:★★★
★★★:読まないと絶対後悔する、★★:とても後悔する、★:やっぱり後悔する


超・営業法


この記事が役に立ちそうだと感じたら、無料メルマガに登録してください。わざわざ、ブログをチェツクしなくても記事が読めます。そして、読者数が多いほど、記事を書くモチベーションが上がります。(笑)

|

« 『普通の人が本を書いて怖いくらい儲かる秘術』 by わらし仙人 | トップページ | 『TQ』 by ハイラム・W.スミス »

マーケティング:書評」カテゴリの記事

金森重樹」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『超・営業法』 by 金森重樹:

» 続・『ハイパワー・マーケティング』 [土井英司のベストセラー情報局]
以前ご紹介した『ハイパワー・マーケティング』がまだ売れています。監訳者の金森さんによると、すでに3000部、増刷が決まったようです。※参考:『ハイパワー・マーケ... [続きを読む]

受信: 2005.02.27 22:21

» 超・営業法 [THE GOOD LIFE]
マーケティングの天才「金森 重樹」氏の原点とも言える本。 僕は将来的に士業で食べていこうと思っている人間です。 行政書士は僕が目指している資格ではないですが、顧客獲得というマーケティング手法においてはほぼ同様のプロセスになるのではないかと思っています。 金森氏がこの本で書いている事は一貫してシンプルである。 結果が出る出ないは別として書いてある方法を実践する事自体はちょっとした努力で達成する事はできると思う。 そう、それは勝つためには当たり前の行為だからだ。 でも、大半の人はこの当た..... [続きを読む]

受信: 2005.08.30 21:10

» ★★★★「超・営業法」金森重樹、PHP研究所 [本のソムリエ提供「一日一冊:読書日記」]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【今日の名著】───────────────────────────────────「超・営業法」金森重樹、PHP研究所(2004/02)¥1,313→(もっと詳しく)(評価:★★★★☆)●金森さ...... [続きを読む]

受信: 2005.09.24 21:32

« 『普通の人が本を書いて怖いくらい儲かる秘術』 by わらし仙人 | トップページ | 『TQ』 by ハイラム・W.スミス »